2007年 2月号

No. 115 

今月のテーマ

「入浴」

2月に入り、梅の咲く季節となりました。まだまだ寒い日が続いており、身体が冷えていると思います。冷えた身体を温めるための入浴は、食事や睡眠と同じように欠かすことのできないものです。入浴は身体を清潔にするとともに、1日の疲れを癒し、気分を落ち着かせてくれます。

現代のような入浴形式の始まりは、仏家の蒸し風呂に入り、長い間の修行で溜まった垢をこすり落として、心気を養うという作法から一般民衆に伝わり風呂に発展したとされています。

そこで今回は、健康と深い関係があり、身体に様々な効果を与える「入浴」について皆さんと学んで参りましょう。
 

1.入浴の効果

風呂に入ると湯の温度や水圧、浮力などが働くため身体には様々な変化が起こります。入浴の効果については以下の通りです。

(1)皮膚を清潔にする

(2)心身の疲労や緊張を除く

(3)血液やリンパの循環を促進する

(4)体内の働きが良くなっていろいろな臓器の機能を高める

(5)硬くなった関節などが動かしやすくなる

(6)筋肉の緊張や痛みを和らげる

(7)神経を落ち着かせる


2.風呂の温度

人間の身体は意志に関係なく、自律神経によって調整されています。自律神経には交感神経と副交感神経があり、互いに反対の働きをしています。

交感神経は、心臓や筋肉などの働きを高めるなど、身体を活動的にするように作用します。これに対して、副交感神経は血管を拡張させたり動悸を鎮めたりするなど、身体をリラックスさせて休ませるように作用します。

入浴中に交感神経と副交感神経のどちらが働くかは、湯の温度に左右されます。ぬるめ(夏は38度、冬は40度位)の風呂に入ると、副交感神経の働きが高まり、精神的に落ち着きます。また、末梢血管も拡張するため、血圧が下がり、心臓の負担が軽くなります。疲れているときに、ぬるめの風呂にゆっくり入るのが良いと言われるのはこのためです。

反対に、熱めの湯(42度位)に入った直後は交感神経の緊張が高まり、末梢血管が収縮しますので、心臓に負担がかかったり、一時的に血圧が上昇したりします。熱さに慣れると交感神経の緊張がおさまり、血管が開いて血圧は下がります。
しかし、10分以上湯に入ったままでいますと、内臓の血管が再び収縮して血圧が上昇します。この状態になると、心拍数や酸素の消費量も増大し、身体に負担がかかります。

3.入浴の際の注意点

(1)健康状態に合わせる

熱がある時や風邪を引いている時に入浴をしてはいけません。また、血圧の高い人はぬるめの湯で入浴時間を短くして下さい。

(2)食事直後は避ける

食事の直後は、消化吸収のために消化器管へたくさんの血液が流れています。消化器が十分働くためには、血液がたくさん必要だからです。しかし、食後すぐに入浴すると、皮膚の末梢血管が広がり皮膚の表面にたくさんの血液が集まり、消化器管の方へまわる血液量が減って胃や腸の運動が抑制され、消化吸収活動が弱まってしまうので、食後1時間以上経ってから入浴するようにしましょう。

(3)湯冷めに気を付ける

入浴後は、身体が暖まり発汗が続いているので、薄着でいたいものですが、汗の蒸発とともに熱も奪われますので、湯冷めに気を付けなくてはなりません。また、発汗によって失われた水分を忘れずに補給するようにしましょう。

(4)首まで湯につかって息苦しい人は要注意

浴槽に入ると、身体の表面に水圧が加わります。水圧によって横隔膜が押し上げられ、肺の中の空気が少なくなるため呼吸数が増えます。また、皮膚の血管やリンパ管が圧迫されるので、心臓へ戻る血液やリンパ液が増加して心臓の負担が増えますので、首まで湯につかって息苦しいと感じる人は、肺や心臓に隠れた病気がある可能性があります。一度健診を受けたほうが良いでしょう。

このように、入浴の目的は、身体を洗浄することだけではありません。毎日、時間や仕事に追われている人にとって、最も身近なリラックスを得る手段ですので、入浴を休養の一つとしてぜひ考え直してみて下さい。
入浴の際は、自分の健康状態に合わせた入浴を心掛け、湯の温度はぬるめで夏は38度、冬は40度位の風呂にゆっくり入り、仕事や運動の疲れを取りましょう。

 
 

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