2007年 7月号

No. 120 

今月のテーマ

「冷房病」

7月に入り、気温も上がって蒸し暑い日になりました。

日本の夏は、住宅、乗り物、オフィス、デパートなど、あらゆるところに冷房が完備されています。涼しくて快適なことは良いことですが、この冷房による冷えすぎは健康の大敵です。

そこで今回は、「冷房病」について皆さんと学んで参りましょう。

 
1.冷房病の症状

冷房の普及とともに、私たちは涼しい夏の快適さを知るようになりました。

その一方で、冷房のきいた室内で長時間過ごす人たちのなかに、身体の不調を訴える人が増えてきました。このように、冷房が原因で起こっていると考えられる症状の総称が「冷房病」です。

主な症状は「身体がだるい」「頭痛」といったものですが、他にも「足が冷える」「疲れやすい」「手足がこわばる」「喉が痛い」「胃腸障害」、女性では「生理障害」などが上げられます。


2.冷房病の原因

冷房病は、身体が長時間冷やされることや、暑い屋外から冷房のきいた室内へ、また冷房のきいた室内から暑い屋外へといった短時間の激しい温度変化によって起こると考えられています。

また、冷房病は特に女性に多く見られます。その理由として、衣服の量やデザインが深く関係しています。冷たい空気は下にたまりやすいため、足の露出が多いスカートをはいているとズボンよりも身体が冷えやすいのです。そして、女性は体質的に冷え性が多いということも上げられます。冷え性は室温が低くなくても身体の一部、特に末梢が冷える症状で、成人女性の半数以上に見られると言われています。


3.冷房病の予防策

冷房病の予防策は以下の通りです。

1) 室温を下げ過ぎない
冷房病を起こさないためには、まず室内を冷やし過ぎないことが大切です。室温が夏期に24°C以下になると冷え過ぎになるため室温は、外の気温を考慮して設定し、日本の夏(外気温35°C程度まで)の冷房温度は、24°C〜27.5°C程度の範囲が良いとされています。

2) 冷房の気流に注意する
冷房によって起こる気流についてですが、気流が毎秒1m増加すると、人間の肌には3〜4°C冷たく感じるとされています。特に気流が壁にあたると、風が壁から床に沿って流れるので床の近くに大きな風の流れができます。そのため、足の冷えを起こしやすくなるのです。

室内の風速は普通20cm/秒ですが、風の出る付近はその5〜6倍の速さになりますので、吹き出し口の冷たい風に直接触れないように気を付けて下さい。

3) 衣服による調節
暖房使用時の室内外の温度差は冷房期に比べて大きいのですが、「暖房病」という症状はありません。その理由は、夏と冬の衣類の違いにあります。夏は高温多湿の気象に合わせた軽装で外出する人が多いため、衣類は体温の維持にあまり役に立たず、身体が冷えやすくなるのです。

冷えを防ぐために冷房のきいた室内では、個人で衣類の調節をすることが大切です。特に女性は外出時や職場にカーディガンや膝掛けなどを用意しておくと良いでしょう。また、男性でスーツを着る方は上着を脱いだりネクタイを取ったりし、室温を必要以上に下げないようにしましょう。

4) 適度な運動が冷えを防ぐ
「足がだるい」「足の冷え」「関節の痛み」などの症状は、血管の収縮や血流の減少が原因と考えられています。これらの症状を防ぐためには、末梢の血行を促すことが大切です。長時間、机での仕事を行う場合は途中で軽く運動をすると良いでしょう。

5) 体調の悪い人は寒さに敏感
どれだけ注意して室温設定しても、全員の人が快適に感じるのは難しく、常に何%かの人には不快感を与えます。冷暖房についての各種の指標でも、居住者の80〜90%が満足すれば良いとされています。しかし、残りの10〜20%に暑がり、寒がりの人がいることを忘れてはなりません。特に体調の悪い人は冷房の寒さに敏感なので配慮が必要です。

このように、冷房病は室温を必要以上に下げ過ぎてしまうことや、室温と外気温の差が大きいことが原因で体調不良を起こしやすくなります。現在は、冷房によって夏場の室温が調節されているのは当たり前のことになっていますが、快適な生活をもたらす設備が、私たちの体調を崩す原因になり得ることを忘れてはなりません。室温を下げ過ぎないことや衣類で調節するなどの工夫をし、快適な夏を過ごしましょう。

 
 

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