2007年 9月号

No. 122 

今月のテーマ

「コレステロール」

9月に入り、朝晩は少し涼しくなり秋を思わせるような季節になりました。
秋は食べ物が美味しい季節で食欲が増し、コレステロールが気になりませんか。コレステロールと聞くと動脈硬化などの病気を連想させ、身体に悪影響を及ぼすものというイメージがあります。
しかし、本当に身体にとって悪影響なものなのでしょうか。そこで今回は、「コレステロール」について皆さんと学んで参りましょう。

 
1.コレステロールとは

コレステロールは、人間や動物の細胞内に必ず存在し、体重70kgの人では体内に約140g含まれています。体内のコレステロール量は加齢や肥満度によって変化します。

また、たんぱく質と脂肪が合体したものをリポたんぱく質と呼び、これは水に溶けないコレステロールなどの脂質を臓器から臓器へ運ぶ役割のものです。リポたんぱく質には、LDL(低比重リポたんぱく質)、HDL(高比重リポたんぱく質)があり、血液中にLDLが多くHDL が少ない状態が動脈硬化の原因の一つと考えられています。

このようなことから、LDLのコレステロールを悪玉、HDLのコレステロールを善玉と呼びます。しかし、身体にとってLDLは必要なもので、問題なのは動物性脂肪のとりすぎによってLDLが増加することや、肥満や運動不足、喫煙などでHDLが低下することです。

2.コレステロールの体内での働き  
体内でコレステロールを最も多く合成しているのは肝臓で、1日1〜1.5g程度です。肝臓だけでなく体内のほとんどの臓器は、コレステロール量が少なくなると細胞内でコレステロールの合成を始めます。素材となるのは、ブドウ糖や脂肪酸が分解されて生じた物質です。主なコレステロールの体内での働きは以下の通りです。

1、細胞膜の構成成分
細胞膜に含まれるコレステロールの量によって、膜の硬さや強さが変化し、必要な栄養素の出入りに影響を及ぼします。また、脳や神経に大量に含まれるコレステロールは、その大部分が細胞膜に存在しており、神経刺激の伝達に重要な役割を果たしていると考えられています。

2、副腎皮質から分泌されるホルモンをつくる
副腎皮質は数多くのステロイドホルモンを分泌しており、ステロイドホルモンは、糠質代謝に関係するコルチゾン、体内組織の内と外にあるナトリウムイオンの正常な比率を維持するアルドステロンなどで、いずれもコレステロールからつくられます。

3、肝臓内の胆汁酸をつくる

健康な成人では、1日およそ500mgのコレステロールが肝臓内で胆汁酸につくりかえられています。胆汁酸は小腸内で脂肪を乳化し、消化や吸収をしやすくして脂溶性ビタミン(A、D、E、Kなど)の吸収にも大事な働きをします。

3.食事とコレステロール

食事から吸収されるコレステロール量は、食事内容などによって異なりますが、1日約300〜500mgとされています。コレステロールはほぼ全ての動物性食品に含まれています。また、私達の血液中のコレステロールは、80〜90%が肝臓で合成されたもので、食品に含まれるコレステロールが吸収されたものは10〜20%にすぎません。

肝臓でのコレステロールの合成は、食事内容によって変化し、その主な要因が脂肪の取り方です。同じ脂肪でも飽和脂肪酸を多く摂取するとコレステロールを合成する機能が向上し、不飽和脂肪酸を摂取すると合成が減少します。飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸のバランスが崩れた食事をしていると血液中のコレステロールは上昇します。飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸を含む割合の多い食品については以下の通りです。

1、飽和脂肪酸を含む割合の多い食品
脂身の多い肉、ベーコン、ソーセージ、ロースハム、チーズ、バター、油で揚げたインスタントラーメン、ポテトチップス、チョコレート、クッキー、ビスケット、ドーナッツ、ケーキなど

2、不飽和脂肪酸を含む割合の多い食品
大豆油、菜種油、ごま油、豆腐、味噌、油揚げ、厚揚げ豆腐、魚介類、魚の卵など


このように、飽和脂肪酸のとりすぎで血液中のコレステロールが上昇します。飽和脂肪酸を含む割合の多い食品を食べてもすぐに血液中のコレステロール濃度が上がるわけではありませんが、肉類は脂肪の多い肉(牛豚のロース、バラ、挽肉、ハンバーグ、ベーコン、ロースハムなど)よりも、脂肪の少ない肉(牛豚のもも肉、鶏肉など)を選ぶとよいでしょう。また、魚の脂身はコレステロール値を下げるだけでなく中性脂肪も下げて、動脈硬化予防にも良い働きがあります。

さらに、大豆や大豆製品は飽和脂肪酸の少ないたんぱく質ですので摂取するようにし、乳製品(チーズ、アイスクリーム)は低脂肪食品をとるなど、上手に食品を選んで、栄養素が偏らないようにできるだけ多種類の食品を摂取しましょう。

体内にエネルギー過剰の異常な状態が続けば、コレステロール調節のしくみも乱れてきますので、過食を避けて身体を動かすようにして下さい。
 
 

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