2007年 11月号

No. 124 

今月のテーマ

「インフルエンザ」

11月に入って落ち葉の季節となり、冷え込むようになって参りました。

寒くなると、咳やくしゃみ、鼻水、喉の痛み、発熱などの症状が現れやすくなります。今年も風邪の季節の到来です。年の瀬から新年にかけては、何かと無理をしやすいシーズン。体調を崩してインフルエンザにかかる人も多いようです。

そこで今回は、11月下旬頃から流行する「インフルエンザ」について皆さんと学んで参りましょう。

 
1.インフルエンザとは

インフルエンザと風邪は原因となるウイルスの種類が異なり、通常の風邪は喉や鼻に症状が現れるのに対し、インフルエンザは急に38〜40度の高熱がでるのが特徴です。さらに、倦怠感、筋肉痛、関節痛などの全身症状も強く、これらの激しい症状は通常5日間ほど続きます。また、咳やくしゃみ、鼻水、喉の炎症などの風邪症状もほとんど同時かやや遅れて現れます。

そして、通常の風邪のウイルスの感染様式は、手から手による接触感染の頻度が高いと言われていますが、インフルエンザウイルスは患者のくしゃみや咳、痰などに含まれるウイルスがそのままか、あるいは空気中に浮遊して他の人の呼吸器に吸い込まれ感染すると言われています。

インフルエンザウイルスはA型、B型、C型の3つに大きく分類され、毎年流行を繰り返すごとに変異株がでています。特にA型は多くの変異株があり、渡り鳥などによって地球規模で運ばれており、世界的な大流行を引き起こします。B型も流行がありますが、C型は軽症のことが多いようです。どの型が流行するかという予測は、地球規模の動向を解析して行われます。

日本ではインフルエンザは12月〜3月に流行します。これは、温度が低く乾燥した冬には、空気中に漂っているウイルスが長生きできるからです。また、乾燥した冷たい空気で私たちの喉や鼻の粘膜が弱っていることや、年末年始の人の移動でウイルスが全国的に広がるのも一つの原因だと言われており、これらの原因が重なって流行しやすい時期となっています。


2.インフルエンザが引き起こす合併症

インフルエンザにかかると合併症を引き起こす恐れがあります。合併症の種類は様々で、中には死に至る重大な合併症もあります。

最近、日本では小児のインフルエンザ脳症が深刻な問題になっています。原因は不明ですが、インフルエンザウイルスの感染が発症の引き金となり、突然の高熱に始まって、1日〜2日以内の昏睡などの様々な程度の意識障害を起こし、短期間の内に全身状態が悪化して死に至ることがあります。

また、その他の合併症として呼吸器(中耳炎・副鼻腔炎・クループ・気管支炎・気管支喘息憎悪・肺炎)、肺(肺障害)、中枢神経(熱性けいれん・脳症・ライ症候群・ギラン・バレー症候群・その他の精神神経症状)、心血管系(心筋炎)、腎(腎不全)、筋(筋炎)などに症状が現れます。体力のない高齢者や乳幼児などは命にかかわることもあります。


3.インフルエンザの予防

 
(1)日常生活で出来る予防方法

1.栄養と休養を十分取り、体力をつけて抵抗力を高めましょう。
2.人ごみを避け、病原体であるウイルスを寄せ付けないようにしましょう。
3.ウイルスは低温や低湿を好むので、室内は加湿器などで適度な温度や湿度を保ちましょう。
4.手洗いは接触による感染を防ぎ、うがいは喉の乾燥を防ぎます。
  外出後は手洗いとうがいを行いましょう。
5.どうしても予防が必要な方はマスクを着用しましょう。
  罹患した人は、咳やくしゃみの飛沫から他人に感染するのを防ぐ効果もあります。


(2)ワクチンによる予防方法

最も確実な予防は流行前にワクチン接種を受けることです。特に、高齢者や心臓や肺に慢性の病気を持つ人、気管支喘息を持つ小児などは、重症化を防ぐためにも医師と相談の上、早めに接種して下さい。ワクチンを接種することで健康な成人の発症予防効果は70〜90%と高い効果が認められていますので、インフルエンザへの感染や重症化の予防となります。

また、ワクチン用のウイルスは孵化鶏卵で培養するため、卵などにアレルギーやけいれんの既住症、免疫不全のある人、熱を出している場合などには接種できないことがあるので、医師に相談して下さい。インフルエンザワクチンは接種してから実際に効果を発揮するまでに約2週間かかります。流行期間が12月〜3月ですから、11月中旬頃までには接種を終えておくとより効果的です。


このように、インフルエンザの症状がでたら早めに医師の診断を受けるようにしましょう。発症から48時間以内であれば、インフルエンザウイルスの増殖を抑える薬が処方されるようになりました。早ければ早いほど効果があるのですが、健康な成人は軽症のうちに会社や学校を休まず、高熱で苦しくなるまで病院に行かないということがあります。

しかし、ウイルスが喉や鼻の粘膜に広がり高熱が出てしまうと根本的な治療は間に合わなくなり、長期間寝込むことになってしまう恐れがあります。他人に感染する恐れもありますので、体調が悪い時はすぐに病院へ行きましょう。
 
 

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